2018年3月1日木曜日

2018年03月01日 兵庫県加古川市議会 渡辺征爾 井上津奈夫 福岡照文

平成30年 総務教育常任委員会( 3月 1日)

○大西健一委員長

(略)

◎陳情第1号 庁舎内における職員への政党機関紙の勧誘・配達・集金を禁止するよう求める陳情

○大西健一委員長

再開します。陳情審査を行います。陳情第1号、庁舎内における職員への政党機関紙の勧誘・配達・集金を禁止するよう求める陳情を議題とします。初めにお諮りします。本件につきましては、岸本委員に直接利害関係のある事件であると認められますので、加古川市議会委員会条例第16条の規定により、岸本委員を除斥したいと思います。また、同条ただし書き規定により、岸本委員の発言は認めたいと思います。平たく言いますと、質疑には加わっていただきますが、採決のときには退席をしていただくという取り扱いにさせていただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。

(「異議なし」の声あり)

○大西健一委員長

ご異議なしと認めます。したがって、そのように決定しました。それでは、本陳情につきましてご意見等をお伺いします。

○桃井祥子委員

陳情第1条につきまして、公明党議員団を代表して、意見を申し上げ態度表明をいたします。本陳情につきましては、願意は妥当であると判断いたしますが、内容は理事者向けであり、市議会での審議にはなじまないものでありますので、結論を得ずといたします。

○松本裕一委員

桃井委員の言われたとおりだと思いますが、かといって中身のことに触れないのもどうかと思うところもありますので、意見だけ申し上げます。これに関しましてはこの委員会での陳情審査だけではなくて、議会運営委員会等でも議論をしてきたところです。陳情事項の2番に関しましては、非常にわかりにくいことで、「強制していない」と言われますと、それ以上でもそれ以下でもないようなことですし、3番に関しましても、相談窓口はしっかりとあると認識しております。1番に関して、これまで岸本議員に直接いろいろ意見を申し上げてきたところですが、議会運営委員会の場でも、今回こういった報道を受けて、いろいろ気をつけながら今後やっていくという形ができればみんなが納得するんではないかというような意見に対しましても、全くその気はないといったような発言をされたり、我々議会側としてもどうかなと思うようなことが多々ありました。確かに桃井委員が言われるように、庁舎管理規定の話ですので市側の話ですが、例えば職員の手をとめるとか、時間をとるといったことに関しては議会側でもしっかりと自粛といいますか、自律をしていくことを求めていくべきだと我々は思っていますし、今後の動向を見ながら、議会としてもそういったことは引き続き言っていかないと思っております。ですから、この陳情者の方の言われていることは非常に理解ができるものですが、陳情審査としてはなじまないというところもありますので、結論を得ずということでよいと思っております。

○渡辺征爾委員

新市民クラブでございますが、当陳情内容につきましては、産経新聞などにも出ているとおり、非常に的を射ていて皆様方がおっしゃっているように至極真っ当な内容であるというふうに判断をしております。陳情事項も3項目ございまして、1番につきましては、「庁舎内に許可なく立ち入り」というところは、先ほど松本委員もおっしゃったように、庁舎の管理規定というところでしっかりやっていただきたいと思います。この2番、3番につきましては、やはり議員という立場を利用しての活動というようなところに問題があるのではないかというようなところもありまして、議会としても、しっかりその辺りについては、正していく必要があるのではないかという思いで、新市民クラブといたしましては、2番、3番のみの一部採択を求めていきたいと考えております。

○井上津奈夫委員

私も以前はこの新聞報道に書かれております共産党の市議だった時代がありますので、例えば2番の「市職員の皆様が政党機関紙の講読を強制(心理的強制を含む)されることのないようにして頂きたい」の部分の強制は多少疑問は感じますが、実際に例えば3月の定例会の最終日に職員さんの異動があったときに、昇格のリストを持って「おめでとう作戦」という形で、当時の団長の岸本建樹さんが「議員3人で行けば断りにくいで」とのことで動いてきた時代がありました。実際に私はその後、日本共産党を除籍処分になりますが、その話し合いの場の中で、「井上議員が市議団の結束を乱している、勧誘の行動に参加をしない」と岸本議員から指摘を受けていると日本共産党東播地区委員長から言われました。いわゆる「おめでとう作戦」に参加をしなさいという強制もされました。こういうことはあってはならないことだと思います。陳情の1番についても、執務時間中はトイレや食事など休憩も認められていますが、やはり机について職務を行うというのが基本ですから、幾ら政治活動であっても、そこを立ち上がって話をする、集金をする、そういったことが職務専念義務違反を誘発するようなことになってはならないと思いますので、陳情理由、陳情事項については十分に理解いたします。委員の皆様がここで判断するべきでないと言われるのであればそうかもしれませんが、私個人の思いとしては、この陳情に賛同したいと思います。

○中村亮太委員

先ほど来出ておりますとおり、我々としては陳情審査にはなじまないと思っています。ただし、新聞報道でも大きく出ましたが、機関紙の勧誘・配達・集金にはルールというものがありますから、やはりそれは守っていただかないといけないと思います。これは陳情審査とは別に関係政党の方には求めたいと思います。

○岸本建樹委員

この陳情について一応私なりに発言させてもらいます。いろいろな方がいろいろな話をされておりますが、私たちはあくまでも市役所内での新聞の販売というのは、行政資料の販売という形を考えております。政党の機関紙だからこれを無理やり押しつけて買わせようというようなことは考えておりません。先ほど井上議員の発言がありましたが、それはあくまでも積極的に読んでほしいという思いからでございます。この中にも書いてありますが、物品の販売についても、市の庁舎管理規定の中では行政資料の販売についてはそういう制限がないと私は読んでおります。あと、1番庁舎内に立ち入るということですけども、私も特別公務員という立場であります。市の庁舎の中で入らせてもらうときには、「済みません、入らせてもらいます」という話も担当の方ともさせてもらいながら入っております。また、2番の講読を強制することはあり得えません。そして、3番で、嫌がらせなどということが書いてありますが、こんなこともあり得ません。私たちはあくまでもきれいな形で紳士的にさせてもらっております。今、ほかの委員からも反省の色がないというようなお話も聞こえて来ましたが、私としてはあくまでも政党員が政党の活動をしているという立場で考えさせてもらっておりますし、理事者の方とも相談をしまして、カウンターより中に入らないようにということで理事者の方に指示を受けております。それに従って、今行動しておりますので、何ら仕事に支障を発生させるようなことはないと確信しております。

○松本裕一委員

先ほど何ら改善の意思がないという話で、議運のときと同じことを言われたんですけど、陳情事項1番のところでも、周りから見て誤解がないように何か工夫をされるとか、例えば契約の仕方を考えるとか、料金の徴収の仕方を考えるとかしていかれたらどうですか。そうすると、いろんな意味で誤解もなくなるし、改善しようという意思が見えるのと見えないのでは全然違いますという話を前にさせていただいたと思います。改めてその部分をお伺いしますが、何も改善する意思も余地もないというふうにお考えですか。

○岸本建樹委員

多分に改善をいたしております。ですから、今までは自席まで新聞をお届けしていましたが、理事者の方との相談の結果、カウンター上に置かせていただいております。集金も、以前は自席まで集金させていただいておりましたけども、今はわざわざカウンターのほうへ出てきていただいて、そこで集金をしておりますので、それについては改善をしております。

○松本裕一委員

そういうことを言ったのではなくて、例えば集金に関しても引き落としにできるんでしたらなるべく引き落としにしたらどうですかとか、そういうことを申し上げてきたつもりです。例えば購買の申込書もきちんと申込書を残して管理していくとか、そういった普通のことを少しでもやっていかれたらどうですかということで改善の余地がまだあるのではないですかということに対して、先ほども言われましたけど、今まで改善してきたのでもうありませんと、そういった理解でよろしいですか。

○岸本建樹委員

改善の余地はありませんと言っているのではなく、それなりに改善はさせていただきました。また、ご本人さんとの契約の中で振り込み契約をされるならば、それも今も断っている問題でもございませんし、それはその方、その方といろいろな話し合いの中でやってます。

○福岡照文委員

私も市職員でありました。かつて赤旗もとっておりました。ここの願意といいますか、趣旨に書いてある内容ですが、このように受けとめたこともございます。議員が昇格された役職の方に、趣旨は勉強も兼ねてこれを買ってもらえないかというような相談があった場合、今ここに書いてあるような心理的強制を受ける、受けないというのはその人本人のことであります。少なくとも、全員が受けないというようなことは恐らく断言できません。私の場合も、講読しているほうが将来的にいいのかなという考えが浮かぶわけです。そういうことはやめさせたらどうかというような趣旨でございますが、購入する側は職務専念義務があったり、政治的中立があったり、公平公正を求められる市職員ですので、自分自身で律してノーと言えるかというようなところもありますが、あくまでもご本人と、売り手の話です。それと、もう一つはそれをどこでやるかです。家でやるなら別ですが、公の施設、庁舎内ですることについて、庁舎の管理は市長がしますので、市長がこの状態がよいのかどうかなんです。これも難しいところで、要旨の内容は十分理解できるところもあるのですが、それを決めるのはあくまで庁舎管理をしている市長の判断になるということです。12月の末に市長は、2人の議員に対して通知を出されました。内容を見ますと、「しんぶん赤旗の配付、代金の集金、講読の勧誘にあたり、執務室へ入室することは禁止していますので、徹底してください。また、講読の勧誘をする場合は、執務時間外に行うようお願いします」という、ある程度踏み込んだ通知でございますが、これをして議員が職員に「買ってくれないか」というときに、心理的強制が発生しないかというと、全くないとは絶対言い切れません。議員と職員でありますから。こういった場で答える側は職員であります。本会議場で質問されて、答弁するのは職員であります。そのことを今後考えていただきたいですが、この陳情に関しては、責任のないようなことをいうわけにもいかないですし、今言ったような理由から、ここで我々がどうこう判断すべきことではないと考えますので、結論を得ずという案に賛同したいと思います。

○渡辺征爾委員

ここで客観的な判断基準にする関係で、岸本委員の言われた強制的な気持ちなどはなかったというところで改善もされているところをいろいろ聞いておりますが、実際に陳情の理由のところにも書いてあるように、職員としましては、議員と良好な関係を維持したいということで断ることができなかったとか、議員の立場を理由した心理的な強制がやっぱりあったのではないかというところがクローズアップされているものです。陳情事項の2番にもあるんですけども、この心理的な強制というものは議員という立場ということがありますので、必ずしもないとは言えないと思うのですが、この辺に関しまして、理事者側から何かコメントがあればお願いします。

○藤原管財契約課長

私も以前、勧誘といいますか、講読のご依頼がございました。当然、いろいろな事情につきまして参考になる事項が書かれているケースが多々ございますので、それについては買う、買わないというのは個人の意思ということで、実際、私も買ってるわけですけれども、無理やり買ってくださいという心理的強制があったとは、個人的には感じておりません。おっしゃられるように、感じ方は各個人のことですから一概には言えないと思うんですけども、個人的には明らかな強制的なことはないと感じております。

○大西健一委員長

今、管財契約課の課長個人のコメントだったと思います。何か総務部としてありましたらお願いします。

○井手総務部長

昨年12月26日に市長から文書を渡したわけですけれども、先ほどもありましたように、その中で執務室への入室は守ってほしいということと、講読の勧誘をする場合は時間外、執務時間外に行うようという、先ほど福岡議員が言われた内容で出しております。これまでは、ある程度共産党の方も気を使われているところもあるんでしょうけれども、確かに席のとこまで来て置いていかれたケースもありましたけれども、それ以降はカウンターに誰々の分ですという紙を差し込んだ格好で置いていかれるという形に改めてもらっております。そこについては今も徹底されてると認識を持っております。それと、集金につきましても、カウンターからは入らないという格好で、職員がいたらそこでお金を渡しますし、いなかったら何度でも来られていると聞いておりますので、その辺も徹底されてるんじゃないかと思っております。ただ、勤務時間外の勧誘につきましては、まだ私も確認をしておりませんので何とも言えません。また、新聞記事に出た後に何名かやめたいというのを申し出て、それはすんなりとやめれているというのも聞いておりますので、それについては特にどうこう言われてないのは確認しております。特に今はもう心理的強制に関してはないのかなと認識しております。

○井上津奈夫委員

2点ほど、岸本委員に聞きたいのですが、お金をもらって領収書を配付するときに、去年もだと思うのですが、ことしも明けましておめでとうございますと、ことしもよろしくお願いしますということが書かれてあって、そこに岸本委員の名前が付記されているわけですけれども、その辺の認識はどうされているんですか。

○岸本建樹委員

質問の意味がわかりません。一般的に商取引の場合はそうすると思っています。

○井上津奈夫委員

議員の場合は虚礼の廃止ということで、そういう年頭の挨拶ということが制限されています。それがいいかどうかは別として、それをやっているということについての認識です。

○岸本建樹委員

虚礼の廃止というようなことを今言われましたが、それにかかるものだとは認識しておりません。私なりには、一般的な話として印刷で書かれたものであって、私の名前が書かれたかどうかは私も認識はしてません。領収者としての印鑑は押していますけど、わざわざ私の名前を印刷なり手書きなりして、ことしもよろしくお願いしますというようなことを入れた記憶はございません。

○井上津奈夫委員

手書きで書いているとは言っていません。印鑑でつけられております。もう1点なのですが、行政資料であるという認識でされたということなんですが、本当に行政資料であれば市職員の方が自腹を切るのはおかしいんではないでしょうか。行政資料だと言うんであれば、あえてそれでも配布をしたいのであれば、無料で配布するという方法もあるかと思うんですが、その辺はどのようなお考えでしょうか。

○岸本建樹委員

行政資料を買う買わないは個人の自由ですので、それは関係ないと思います。

○大西健一委員長

ご意見等を終結します。それでは、岸本委員の退席を求めます。

(岸本建樹委員退席)

○大西健一委員長

先ほどからいろいろご意見を伺っておりまして、結論得ずのご意見が大半を占めておりますので、初めに結論得ずについてお諮りをしたいと思います。陳情第1号について、結論得ずとすることに賛成の方は挙手願います。

(賛成者挙手)

○大西健一委員長

挙手多数です。よって、本件は、賛成多数で結論得ずと決定しました。しばらくの間、休憩します。

(略)