2014年7月22日火曜日

2014年07月22日 京都府京都市議会 椋田隆知

京都市  平成26年  7月 経済総務委員会(第10回)  07月22日-10号(P.62~P.67)

○委員長(とがし豊)

それでは,陳情審査を行います。

陳情第87号地方自治体における政党機関紙の勧誘,配布,販売の実態調査及び是正及び陳情第88号地方自治体における政党機関紙の勧誘,配布,販売についての実態調査の要請については,いずれも政党機関紙の実態調査に関する陳情ですので,一括して審査いたします。

何か御意見,御質問はございませんか。椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

議員間で討議をする前に,実態としてちょっと把握しておきたいと考えておりますけども,所管局があるなしというのもあるんですけども,やはり行財政局に聞くしかないので。今現状として,公費で購入している政党機関紙はございますか。

○委員長(とがし豊)

長谷川部長。

◎総務部長(長谷川一樹)

公費での政党機関紙の購入はありません。

○委員長(とがし豊)

椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

じゃ,公費,私費を問わず,庁内における政党機関紙の講読状況について把握されていますか。

○委員長(とがし豊)

長谷川部長。

◎総務部長(長谷川一樹)

その旨については把握はしておりません。

○委員長(とがし豊)

椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

これは元々他都市において出てきたわけなんですけど,福岡県行橋市,そしてまた,兵庫県伊丹市,両市共にそれぞれ総務部長等が答弁されているんですけども,政党の新聞の勧誘,配布,集金が行橋市では20年前から行われているということは把握してはるわけですね。伊丹市においても,市庁舎の管理規程に抵触した勧誘が行われている等々が指摘されているわけで,それを認識してはるんですけども,本市におかれては,勧誘についてはどのように認識されていますか。

○委員長(とがし豊)

板倉統括監察員。

◎統括監察員(板倉康夫)

コンプライアンス推進室では,各種公益通報の窓口ですとかハラスメントの相談窓口を設けておりますけども,そういった所に,今現在,そういう連絡,相談というのはございません。

○委員長(とがし豊)

椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

ということは,本市の職員において,庁舎内で特定の政党機関紙が講読されているということはないと判断してよろしいでしょうか。

○委員長(とがし豊)

長谷川部長。

◎総務部長(長谷川一樹)

全ては把握していませんけど,そういう講読された方はおられるかと思います。ただ,今申しましたように,そういった強要されて購入されているとは聞いてはおりませんということです。

○委員長(とがし豊)

椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

一つ,これが問題になったんですね。その都市における,市町村における議員が勧誘をしたということが出てきて問題になったんですよ。今御答弁いただきましたけども,講読はされているということは認識されているということですけども,勧誘があって講読されているかどうか,それについていかが把握されていますか。

○委員長(とがし豊)

長谷川部長。

◎総務部長(長谷川一樹)

それについては把握はできておりません。

○委員長(とがし豊) 

椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

憲法で保障された思想信条の自由,そしてまた,それぞれの個人の権利というものがありますから,本市の上層部からその職員に対してうんぬんということはできないのは私も認識しております。ただ,あった場合,市民の立場からすると,特定の政党機関紙を読むということは,選挙前とかになりますと,その政党が推薦若しくは公認をする候補者の写真やコメントが載っていて,それを勉強のために読まはるというのやったらええんですけども,やはり読むことによって中立性を損なわれるような誤った認識が,我々は人ですから,生まれてくる可能性もあるんですよ。だから,そういうことに関して,やはり読むこと自身は自由かもしれないけども,市民からすると中立性という意味が損なわれていると言われても仕方がないようなとこがあると私は考えております。

例えば,ボランティアでしていただいている選挙管理委員,そして,又は投票,開票の立会者につきましても,選挙運動ができない,イコール,言うならば思想信条について主張もできない。例えば,選挙になると個人演説会等々がありますよ。選挙管理委員になったら個人演説会も行ったらあかんと思ってはる人がいっぱいいはります。そしてまた,自分とこのお家に特定の候補者のポスターを貼ってもいけないと。これはいけないことないんです。貼ったっていいんですよ。ただ選挙運動をしたらあかんだけでね。それが今の現状なんですから,私は,講読すること自身が本当にその特定の政党を応援していると取られかねないのが現状と思いますので,この辺については十分注意をしていただきたいと思いますけど,その辺りにつきましてはいかがでしょうか。

○委員長(とがし豊)

長谷川部長。

◎総務部長(長谷川一樹)

先生が今色々おっしゃっていますが,これに関しては,やはり職員の個人の問題でもあります。思想信条に関わる問題であります。そういった部分で,我々としても,その部分はどうするかということについては慎重に考える必要があるかと思いますけれど,現行の中では,今,特に取りあえず問題は起こっておりませんので,我々としては,今,この状況を注視したいと考えております。

○委員長(とがし豊)

椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

再び申しますけど,いずれにしても,公務員の政治的中立性が損なわれることが疑われるような行為,これは私は慎むべきやと思いますけど,それについてはいかがですか。

○委員長(とがし豊)

板倉監察員。

◎統括監察員(板倉康夫)

地方公務員法36条に政治的行為の禁止という項目がございます。5項目ございますけども,そのうちの一つ目が,特定の候補者に投票すること,あるいは投票しないことの勧誘行為ということになっておりますので,こういった行為に違反することがございましたら,それにつきましては厳正に対処していきたいという風には考えております。

○委員長(とがし豊)

椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

御答弁について確認で,特定の候補者に投票するのはいいですよね,選挙権の問題で。その勧誘でしょう,結局。それについてもう一度お願いします。

○委員長(とがし豊)

板倉監察員。

◎統括監察員(板倉康夫)

今,先生おっしゃいましたとおり,勧誘することが禁止されておるということでございます。

○委員長(とがし豊) 

椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

庁舎内と言いますか,本市職員の皆さんにおかれまして購入の実績があるということは認識されているということでございますけども,言うならば,職員以外の,職員に準ずると言うた方がいいですかね,第三セクターもありますし外部団体もあります。やはりそれについても,今,講読実績を把握されているということですから,調査していただいた方がいいんじゃないかなと思いますけど,その辺りについてはいかがでしょうか。

○委員長(とがし豊)

板倉監察員。

◎統括監察員(板倉康夫)

今現在,そういった強制行為があるという状況ではございませんし,そういった中で調査を行うということになりますと,個人の自由ですとか信条,こういった憲法の問題に触れるおそれもございますので,調査の実施につきましては,するかしないかということも含めて慎重に考えてまいりたいという風に思っております。

○委員長(とがし豊)

椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

いや,現実として調査されたから,今,本市職員の講読の実績はあるということを認識されているということなんですよ。調査しはったわけとちゃうんですよ,これは。認識されてんのや。でも,ほかかって分かるはずなんですよね,色々と交流がありますから,人同士。だから,こんなことは,逆に言ったら,勧誘が強制的にあったり圧力が掛かるということはあってはならんことなんですから,そういうことがないようにも,そしてもう一つは,私は度々申しました,市民の皆さんからして中立性が損なわれる疑いを持たれないように,その辺についてもデリケートに判断してもらわなあかんし,当然,憲法の思想信条の自由がありますから,それをどうこうと言うのはいけないと思いますけども,把握ぐらいはしておくべきやと思うんです。その辺りについてはいかがですか。

○委員長(とがし豊)

長谷川部長。

◎総務部長(長谷川一樹)

先ほどまで購入していることはあるというのは,一般的には知っているという程度ですので,実態的に我々が調べて把握しているということではないということは御理解願いたいと思います。

それと,そういった実態調査そのものについては,本当にやるとなれば,どういった権限でやるべきなのか,どういった形の中での話なのか,やはりそういった実態調査におきましても色々な整理をする必要があるかと思います。でも,それは,色々の形ですることになれば色々なことも起こるかと思いますので,その辺はどういう具合いにするべきなのか,ちょっと色々考える必要があるかなと思います。

○委員長(とがし豊)

椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

これは,あくまでも公務員としての中立性を問う一つの大事な事柄やと思います。それから,他都市であったがゆえに,やはり京都市でもこういう,読まはるのはいいんですよ,講読しはるのは。ただ,それに際して,特定の政党に所属する議員から購入の呼掛けがあったのかどうかということは,これは思想信条じゃなくて,読んでいることをとがめているん違うんですよ。あくまでも購入に際して勧誘があったのか。当然,その当該市町村の議員から勧誘があったと言うたら,これは圧力と思われても仕方がないんです。私自身は,だから,そのために購入実績をお伺いして,購入されているならば,そういう勧誘があって購入したのか,自主的に購入したのか,それぐらいはやはり調べとかんと,よそであって大変な問題になっているんですよ。だから,その辺りについてしっかりとこれこそ聞いてもうてもええ話とちゃいますか。いかがですか。

○委員長(とがし豊)

長谷川部長。

◎総務部長(長谷川一樹)

一つは私費の購入ということで,そもそも政治的に中立的な立場というのが公務員の立場でございます。それを,一定あえてそういうことを調査するということはいかがなものかなと思っていますし,一方では,そういういろんな圧力等があれば,例えば,議員の先生方は御存じかと思いますけれど,市会議員の政治倫理条例というものがございます。そういった部分で,我々として,例えば公益通報とかこういう話で受け止めれば,市会の方にそういう話がありますよということの中で自浄の努力をなされるかと思っております。

以上です。

○委員長(とがし豊)

椋田副委員長。

◆副委員長(椋田隆知)

行政の方にばっかり言うてるん違うんですよ。我々議会を構成する議員としても,そういう条例も当然守らなきゃいけないし,そういうことはあってはならんと,しっかりと自立,自制していかなあかんことも含めて,今,この陳情の審査に対して,行財政局の皆さんにわざわざお越しいただいてお伺いしたということでございますので,この辺りを御理解いただけたらありがたいと思っておりますので,よろしくお願いします。

以上です。

○委員長(とがし豊)

ほかにございませんか。井上けんじ委員。

◆委員(井上けんじ)

公務員であれ,民間労働者であれ,思想信条の自由は当然だと,また,集会,結社,表現の自由の裏返しとして,どういう新聞を読み,どういう本を読もうが,赤旗新聞を読もうが,自由新報を読もうが,公明新聞を読もうが,それは基本的人権の一環として各人の自由だと,これは確認しておきたいんですが,いかがですか。

○委員長(とがし豊)

長谷川部長。

◎総務部長(長谷川一樹)

それはそのとおりでございます。

○委員長(とがし豊)

井上けんじ委員。

◆委員(井上けんじ)

しかも,これらの権利というのは内心の自由も伴っていると。だから,何を考えようが,何宗教を信じようが,それは個人の自由であって,しかも,それらを表明するしないも個人の自由だと,踏み絵というのは憲法違反だと,このことについても改めて確認をしておきたいんですが,いかがでしょうか。

○委員長(とがし豊)

長谷川部長。

◎総務部長(長谷川一樹)

ちょっとよく内容が分かりにくかったんですが,やはり先ほども公務員というのは中立性に立ってやるということが大原則です。その中で,いろんな書物を読むというのは信条の自由かと思います。そういう中で自己判断という部分はありますが,ただ,一方では,市民の方に誤解を招かないという行動も慎むべきだと考えております。

○委員長(とがし豊)

井上けんじ委員。

◆委員(井上けんじ)

私は何も市民の誤解とか中立とか,そんな質問を何もしていないでしょう,部長。踏み絵も憲法違反だということを聞いているわけですよ。要するに,何新聞を読もうが,何の本を読もうが自由だということと同時に,自分がどんな本を読んでいるかということを対外的に明らかにする,しないことも基本的人権の一環でしょうということを言っているわけです。踏み絵ということの意味は分かるでしょう。だから,踏み絵が憲法違反だと言うか言わないか,内心の自由だということを私は強調しているわけですよ。だから,それはそのとおりだという答弁があって当たり前だと思うんだけども,長谷川部長,もう一回答弁してください。

○委員長(とがし豊)

長谷川部長。

◎総務部長(長谷川一樹)

すいません,よくかみ砕いて理解していなくて。そのとおりでございます。

○委員長(とがし豊)

井上けんじ委員。

◆委員(井上けんじ)

そういう風に考えるとすれば,私は,先ほど椋田副委員長から実態調査をしてもらったらいかがですかという趣旨の御質問があったように記憶しているんだけども,ちょっと僕は,質問によっては,質問自体が憲法原則から見て問題になる場合も有り得るんじゃないかと,議会の場で何でも質問してもいいということにはならないという風に思うんです。したがって,先ほどの椋田副委員長の質問については,私は,委員長において議事録精査のうえ善処していただきたいと,こんな風に思いますので,よろしくお願いしたいと思います。

○委員長(とがし豊)

今,井上けんじ委員の申出につきましては,正副委員長で協議をしたいという風に思います。

井上けんじ委員,質疑の継続は。(発言する者あり)よろしいですか。

それでは,ほかに御意見はございませんか。

なければ,本件は陳情ですので,この程度にとどめます。

以上で請願・陳情審査を終わります。理事者,御苦労様でした。

委員の皆さんはしばらくお残り願います。