2014年6月16日月曜日

2014年06月16日 兵庫県伊丹市議会 佐藤良憲

平成26年第3回定例会-06月16日-05号

◆1番(佐藤良憲)

(略)

次に、政党機関紙「しんぶん赤旗」を市の庁舎内で勧誘、配付、販売することの是非についてお伺いいたします。

今回の質問の趣旨を申し上げますと、私は政党機関紙をとるなと言ってるわけではありません。公共施設である市の庁舎で公務であるはずの時間帯に第三者の目につく状況で行われているさまざまな行為に疑問を感じているわけであります。これは全国でも問題になり、福岡県行橋市議会の小坪議員が全国の1700の自治体にその実態を問う文書を送付されました。今回、幾つかの県議会、政令市、中核市において決議される旨、お伺いしております。

その資料でございますが、今、私の手元にございます。これ以外にもまだございますが、これにつきましては各市議会等に送付されています産経新聞の記事とともに参りました。

今回は、当局に対しましてこれまで市庁舎内で行われ、かつ黙認してきた、あるいはお気づきになられなかったであろう事実についてお伺いいたします。

私は、議員になってから庁舎内で公然と行われる不思議な光景に以前から調査していたところ、全国でこのように表面化し、多くの問題が浮上してまいりました。

今般、報道等でも全国的に問題になっておりますが、これは伊丹市においても同様のことがございます。政党機関紙として私が市の庁舎内で現認いたしましたのは「しんぶん赤旗」でございます。こちらは日本共産党の機関紙であり、発行元は日本共産党中央委員会です。

では、伊丹市の実態について詳しくお伺いいたします。

講読を求める勧誘活動について、私もこの3年間、市の庁舎内を歩き回りますと1階から7階まで各執務室において「しんぶん赤旗」が机にあるのが散見され、管理職職員の机の周りでは毎月発行される「議会と自治体」の冊子等がある場合もございました。

さらに副主幹級以上の職員に聞き取りを行いますと、お聞きする限りほとんどの職員が主査もしくは副主幹に昇任すると共産党の議員が来て、君もそろそろ講読する時期だなと言われるそうでございます。これは不特定の職員に何人もお聞きしましたが、同様の答えが返ってまいりました。

本市においては、管理職以上の職員で講読されていない方にお会いするのが難しいと感じております。この聞き取りからも、伊丹市においても他市で問題になったように議員等による勧誘がございます。まずはこの件について当局はどこまで把握されておりますか、御答弁をお願いいたします。

次に、この問題の本質は市議会議員という市役所内において強い立場の方が市職員に対して政党機関紙の講読を求める勧誘を行うことであります。実態としては、さきに述べましたとおり、さらには私の聞き取りの結果、本市においても部課長級職員の大半が講読しているようでありますが、これは管理職職員を中心に行われることからほとんどが議会あるいは委員会等の質疑を念頭に置いた議員による職員への心理的強制に当たるのではないでしょうか。当局の見解をお伺いいたします。

次に、庁舎の管理規定、管理規則についてお伺いいたします。

他市の答弁等、また本市職員とOBからも証言がございますが、実際に庁舎内で政党機関紙の販売という形での政治活動は管理規定、管理規則に沿って問題のない行為なのでしょうか、お伺いしておきます。

次に、管理職職員のほとんどではないかと思われる不自然な講読部数についてお伺いします。

最新の政党支持率をさまざまな方法で確認しましても、日本共産党の支持率はおおむね2%から3%です。しかし、本市管理職職員の315名のうち30名以上の方が講読しているのは御本人にお聞きし、中にはお手元の「しんぶん赤旗」を見せていただいた方もおります。さらにもう少し簡素な聞き取りを含めると、実数は倍以上になります。その際、あなたの職場で講読していない管理職はおりませんかと尋ねました。しかし、私の知る限りおりませんというお答えが返ってまいりました。つまり、職場で講読しているのは一見して周囲にわかる状況ですので、みんながやっているから自分もしなくては、このような心理的圧迫感を与えている可能性があります。

また、公務員のいわゆる縦社会と呼ばれる社会では、部長を初め上司がしていることを否定できる職員は少ないと自分自身の経験から実感しております。このような行為は上司や先輩の背中を見ている若い職員たちに連鎖させていることを御認識ください。

では、なぜこれほどまでに市職員の間で「しんぶん赤旗」を講読する風潮が生まれたのか。その一例として御紹介いたします。

産経新聞の報道によると、神奈川県鎌倉市の市職員OBは、早朝に市議や支持者らが係長級以上の職員に赤旗を配付していた。さらには市議は職員よりも職務上優位にあり、講読を迫られると断りにくいとも証言しております。

同じく、行橋市の市職員は産経新聞の取材に対しこのように言われております。係長級昇任時に日曜版、課長級昇任時に日刊紙の講読を共産党市議に持ちかけられた。この職員は、共産党は議会での追及が非常に厳しいし、他の管理職職員も大半は講読しているので断るわけにはいかないと思ったと、このように証言しております。

伊丹市においても既に複数の職員とOBから同様の聞き取りを行っておりますので、真偽のほどについてはおおむね把握できておりますが、こちらにつきましても御自身の経験を含めわかる範囲で結構です。また、総務という職責から庁内人事に関すること、この点について伊丹市の状況を御答弁お願いいたします。

次に、これは私も市民の方から言われたことがあるのですが、伊丹市は共産党員が多いのかと言われました。市民の方が市役所を訪れた際に、庁舎内の至るところの机に「しぶん赤旗」が置いてあるとのことでした。市民の方々は、実際に目に入る光景から伊丹市職員の職務の中立を疑ってしまうのも無理はありません。これは市民の正直な声でもあります。伊丹市への信頼を揺るぎないものにするためにも、いま一度公共、公務ということをお考えいただきたいと思います。

公務員は全体の奉仕者として政治的に中立な立場で職務に臨まなければならず、特定の政党を支持していたとしてもその思想を仕事に持ち込むことは許されません。

私は、思想を縛るものではなく、時と場所をわきまえていただきたいとこのように申し上げております。ここは職場と同時に公共の場ですので、どうしても政党機関紙を講読したいのであれば御自宅で講読していただくべきものと考えます。この点についても御答弁お願いいたします。

さらに、これまでのように「しんぶん赤旗」などの政党機関紙を市庁舎内で勧誘、配付、集金等を黙認することは、事実上特定政党の政治活動を支援し、結果として政治献金を行っている側面が否めません。早期の是正が必要と私は考えております。この点につきましても、当局の御見解をお伺いいたします。

この件につきましては引き続き一問一答で行いますので、よろしくお願いいたします。

(略)



(略)



○議長(山内寛)

二宮総務部長。

◎総務部長(二宮叔枝)

(登壇)私から、政党機関紙を市庁舎内で勧誘、配付、集金することの是非に関する数点の御質問にお答えをいたします。

まず、1点目の講読を求める勧誘活動についてお答えをいたします。

議員御案内の1階から7階までの職場において「しんぶん赤旗」が机の上にあり、周りには毎月発行される「議会と自治体」という冊子があるという件についてでございますが、今回複数の職員に尋ねましたところ、私が確認した範囲においては多くの職員が副主幹昇任時に議員から政党機関紙の講読の勧誘を受けたということでございました。市庁舎内において講読の勧誘が行われていたということにつきましては、事実であると認識をいたしております。

なお、御案内の冊子につきましては、存じ上げず目にしたことはございません。

市庁舎内で機関紙の講読の勧誘を行うことにつきましては、伊丹市庁舎管理規則第4条第1号に掲げました庁舎における物品の販売、施術、宣伝、勧誘その他これらに類する行為に該当することから、勧誘行為につきましては他も含め厳格に対応してまいりたいと考えております。

次に、元議員という立場の者が勧誘を行うことは、議員による職員への心理的強制に当たるのではないかという点についてでございますが、機関紙を講読するしないは職員個人の意思に委ねられているものでございまして、議員としての地位を利用した心理的強制があったかについては、個々の職員がどう感じたかという感覚によるところが大きいものであると考えております。

次に、庁舎の管理規則にかかわる御質問についてでございますが、まず機関紙の販売代金は私的な契約によって配達された対価であり政治献金には該当しないと考えており、伊丹市庁舎管理規則上問題があるものではないと認識しているところです。

次に、自身の経験と総務という職責から庁内人事に関する点はという御質問でございますが、管理職員の講読状況についてはそれぞれの判断で講読を決定したものと考えており、把握しておりません。

また、管理職が講読することによる一般職員への影響につきましては、特段全庁的な対応が必要であるとは捉えておりませんが、無造作に机上に置かれていることについては整理のあり方を含め対応すべきものと考えています。

次に、講読したいのであれば自宅で講読すべきだとの御質問でございますが、政治的中立な立場で職務に臨まなければならないとの議員の御指摘は当然のことと認識しております。議員御指摘の市民の目に触れる至るところの机に放置されることにより、多くの職員が特定の政党を支持するかの印象を与える可能性があるということは理解はいたしますが、現状では最終面が表となり2つ折りにして配達されておりますことから、一見して御指摘の政党機関紙とはわかりづらい状況になっているものと思われ、これまでに苦情や要望といった案件は確認をしておりません。

また、職場での講読、配達と集金につきましては、他の物品の購入と同様にそれぞれ個人の契約によるものであること、職場での講読は購読者個人が利便性を考え判断されていると思われることから、庁舎管理規則上も直ちに全てが禁止されるものではないと認識しているところでございますが、配達や集金のために職員以外の者がみだりに執務室内に立ち入ることは公務執行の妨げとなるおそれや情報管理上問題を生じる場合もありますことから、その方法につきましては改善策を講じる必要があるものと考えられますので、検討をしてまいります。

○議長(山内寛)

佐藤議員。

◆1番(佐藤良憲)

(略)

では、引き続きまして「しんぶん赤旗」庁舎内の講読についてですが、引き続いて一問一答方式で御質問いたします。

まず、この問題につきましては、なかなかこれまでも取り上げられる機会もなく、お答えも非常にしづらいような質問だったかなと思います。しかしながら、二宮総務部長の誠実な御答弁につきましては、私は一定の評価をしております。

これまで、数十年に及ぶ慣例というのが全国では指摘されておりました。

また、本市におきましては、これから質問させていただく中でどのようなことが起きていたかということもわかってくるとは思います。その中で、総務部長という重責を立派に果たされたその姿勢に私は敬意を表しております。

私は、自分の聞き取りと他市の報道、あるいはその答弁というものを証拠としております。これにつきましては、聞き取りを行った本市職員の名前を出すべきではない、このように判断しているからであります。しかし、この証明を求められるとするならば、今この場で副市長あるいは各部長の皆様に御質問するしかない、このように考えておりました。

しかしながら、御答弁によりまして勧誘の事実は証明できましたので、それは今後の質問の中では必要ないと判断しております。ですが、この後の私の質問に総務部長お答えにくい、あるいは御存じない、そういうことが頻発するようでありましたら、さらに経験の豊富であります副市長あるいは理事、また各部長の皆様、さらにもし可能であれば教育長などにもお伺いしてみたいと思っております。

では、引き続き御質問に移ります。

勧誘につきましては、厳格な対応とのことでした。これはもちろん当然ながら、これがされなくては今どなたでも自由にこの庁舎内で経済活動、あるいは政治活動が可能になってしまいます。これにつきましては、厳格な対応をしっかりお願いしたいと思います。

では、参考までに副主幹級以上の職員は4月1日現在では315名おります。そのうち、何%ぐらいの方が勧誘されているのか御存じでしょうか。

○議長(山内寛)

二宮総務部長。

◎総務部長(二宮叔枝)

(登壇)副主幹以上のうち何割程度の職員が講読の勧誘を受けたのかという御質問でございますが、具体に何人が勧誘を受けたのかということについては把握はしておりません。

1回目の御答弁でも申し上げましたとおり、今回複数の職員に講読の勧誘を受けたか尋ねたところ、多くの職員から勧誘を受けたという事実を確認しているところでございます。

○議長(山内寛)

佐藤議員。

◆1番(佐藤良憲)

(登壇)ありがとうございます。これについては、そうだろうと思っております。

次に、質問を変えます。他市の答弁、職員あるいはOB等の証言では共産党は議会質問が厳しいため講読すると対応が柔軟になる、このようなことをお考えになられて講読されたという例がございます。本市につきましてはいかがでしょうか。

○議長(山内寛)

二宮総務部長。

◎総務部長(二宮叔枝)

(登壇)講読することで議会質問に際し対応が柔軟になるのではという御質問でございますが、その点につきましては現状職員からそのような声は聞いておりません。

○議長(山内寛)

佐藤議員。

◆1番(佐藤良憲)

(登壇)これについても、そのように私は考えております。もしそのような思惑があるとするならば、議会で行われていることは全てポーズにしかなりません。また、そういったことが議会を形骸化させ、その存在を否定することになる。それは結果として市民の信頼を失墜する、このように私は考えております。多くの先輩議員はもちろんのこと、何も知らない我々1期目の議員であっても党派を問わず日々議会の重責を感じながら精いっぱい頑張っております。その答弁を聞きまして、私は安心いたしました。

次に、御答弁ですが、政党機関紙の販売代金は私的な契約のため政治献金には該当せず、伊丹市庁舎管理規則上問題がないとのことでした。

ここでは2点疑問がございます。一つは、明らかな政治活動を物品販売と捉えていること。もう一つは、私的な契約とのことです。そのうち、一概に物品販売と申しましても、これは性質が異なります。庁舎内におけるお弁当等の物品、これは企業における通常の経済活動であり、この利益は会社を維持し社員を雇用します。しかし、政党機関紙についてはその利益は活動資金でありますから、それが政治献金ではないかと感じているわけであります。ですから、その扱いが同じということはないと私は考えております。

以上のことから、庁舎等の公共施設内で勤務中の職員に向けた政治活動のうち関連法規等に抵触の可能性のあるものについては、一定の制限をすべきだと私は申し上げております。ですから弁当その他の物品購入については、また勤務時間外、公共施設外での行為は何も申し上げておりません。当局におきましては、いま一度さまざまな観点から御精査いただきたいと申し上げておきます。

では、次の質問に移ります。

さきの御答弁にございました職員以外の方がみだりに執務室内に立ち入ることは職務執行の妨げになり、かつ改善策を講じるとのことでした。この答弁から察しますに、どなたがお配りになられているかということは御存じなのでしょうか。

○議長(山内寛)

二宮総務部長。

◎総務部長(二宮叔枝)

(登壇)どなたが配達しているのかという御質問でございますが、立場、身分は存じ上げませんが、長年にわたり特定の方が配達されているという認識でございます。

○議長(山内寛)

佐藤議員。

◆1番(佐藤良憲)

(登壇)ただいま立場、身分を存じ上げないということを御答弁いただきました。ということは、これは議員でもなく職員でもない、そのように理解いたします。

では、御答弁にありますように、その御答弁でございますと職員でもない、また議員でもない方がこれまで執務室内への立ち入りを長年行われ、かつそれを放置していたということになります。しかし、これで事の重大性というものを御認識いただけたかと思いますので、これについても何かしらの対応が行われると私は考えております。

では、次に私的な契約を行った時間、場所についてお伺いしたいと思います。

○議長(山内寛)

二宮総務部長。

◎総務部長(二宮叔枝)

(登壇)具体的な時間でありますとか場所などにつきましては、個々に異なっているものと考えております。

○議長(山内寛)

佐藤議員。

◆1番(佐藤良憲)

(登壇)つまり一括してどこかで行われてたということはない、そういうことがわかりました。

他市におきましては、強制制というものが問われておりました。その点につきまして、本市につきましてもさきの御答弁どおり各個人が感じることであるということにつきましてはわかりました。

それでは、次に配達される場所、そしておおむねの時間、こちらについて教えてください。

○議長(山内寛)

二宮総務部長。

◎総務部長(二宮叔枝)

(登壇)配達される場所、時間との御質問でございますが、それぞれ講読している職員の勤務場所へ開庁時間内に配達されているものと認識をしております。

○議長(山内寛)

佐藤議員。

◆1番(佐藤良憲)

(登壇)これは勤務場所へ開庁時間にということでございました。これ私の言い方に直しますと、公共施設で公務中の公務員にということになります。

ちなみに、私のもとに寄せられた複数の証言といいますかお聞きになりました話につきましても、庁舎内で勤務中に議員ではない方が執務室の各机にお配りになっていると聞いております。これにつきましても、私がお聞きしました多くの証言と一致いたします。

私は、このような行為に問題がないのでしょうかとお伺いしているわけでありまして、もし問題があると感じられるのであれば速やかに改善していただきたいと思っております。

では、引き続きまして地方公務員法についてお伺いいたします。

地方公務員法第36条では、公務員の政治的行為が制限されています。その中でも、ここには主に寄附金その他の金品の募集に関与することとございますが、これ以外の項目も含めこの地方公務員法第36条につきましてどのように御見解をお持ちでしょうか。

○議長(山内寛)

二宮総務部長。

◎総務部長(二宮叔枝)

(登壇)議員御案内のとおり、地方公務員法第36条は一般職の地方公務員の政治的行為の制限について規定された条文となっております。同条第2項におきましては、政治的目的を持ってする政治行為に限って制限の対象となることと規定されておりまして、政治的目的を持つ行為であるかどうかや行為、対応により判断することとなりますため、個々の事例が法に抵触するかどうかにつきましては行為だけを取り上げて判断すべきものではないと解釈をいたしております。

○議長(山内寛)

佐藤議員。

◆1番(佐藤良憲)

(登壇)私が辞書を引く限り、関与とは関係することと出てまいります。これは本当に問題がないのでしょうか。この地方自治法の36条、今、私の手元にございますが、この条文を見ていきますと、中には条文の後半で2項の4、こちらの後半に地方公共団体の庁舎、施設、資材または資金を利用し利用させることと、こういったような文言も出てまいります。ここで感じていただきたいのは、今まで当たり前のようにあったこと、これがある日指摘されたことにより初めて気づく、こんなこともあるとは思うんです。

私は再度申し上げます。決して罰則を求めていません。私は一人でこれ調べてますんで、皆さんは多くの優秀な職員を抱えております。この件、もう一度万が一にも間違いのないようによく御検討ください。

ちなみに、地方公務員法についてお伺いいたしましたが、本市の全ての方が一般職の地方公務員法に該当するとは限りません。既に御承知ではあるでしょうが、教育公務員特例法というのがございまして、こちらは地方公務員法第36条の規定にかかわらず国家公務員法の例によるものであり、ここには人事院規則等も加わり、より詳細な制約を受けている方もおられるわけであります。そういったこともよく御認識いただきたいと思っております。

では、次に伊丹市一般職員服務分限条例についてお伺いいたします。

これはさきの地方公務員法を補完するものであり、より明確に記載されております。では、その中の第24条、政治的行為の制限範囲についてお伺いいたします。

この中の(1)政治的目的のために職名、職権の影響力を利用することについては該当しませんでしょうか。

○議長(山内寛)

二宮総務部長。

◎総務部長(二宮叔枝)

(登壇)議員御案内の伊丹市一般職員服務分限条例は、地方公務員法第36条第2項第5号の規定に基づき、職員の政治的行為の制限範囲を定めたものでございます。

お尋ねの政治的目的のために職名、職権の影響力を利用することについてですが、この趣旨は職員が政治的目的のために自己の影響力を利用することを政治的行為として、これを禁止する趣旨であります。

一例を挙げますと、上司が部下に対し特定政党、団体の支持をその地位を利用し勧誘することなどを禁じるもので、単に機関紙の講読をもって本規定に抵触するものではないと理解をしております。

○議長(山内寛)

佐藤議員。

◆1番(佐藤良憲)

(登壇)御答弁ありがとうございます。

私は、この条文には作為、不作為、つまり積極的か消極的かという判断は存在しないと考えております。もう少しわかりやすく言いますと、上司が政党機関紙を講読している。こういう状況は執務室に政党関係者が配付、集金等さまざまな場面で訪れるわけです。部下はそういったあらゆる関係性を見てしまっています。その状況で影響を受けないということは、もうこれは社会通念上の解釈として難しいんではないか、このように私は考えております。

それでは、次の質問に移ります。

同じく伊丹市一般職員服務分限条例の第24条、この(2)につきまして、政党その他の政治団体の機関紙たる新聞、その他の刊行物を発行し、編集し、配付し、またはこれらの行為を援助すること、このようにございます。こちらについてはいかがでしょうか。

○議長(山内寛)

二宮総務部長。

◎総務部長(二宮叔枝)

(登壇)御質問の規定につきましては、こういった行為が行われれば当然に政治的行為として条例に抵触すると考えられますが、政治的目的を有するかどうかなどはその行為、対応に応じ社会通念上に照らして判断されるものであると考えます。そうした観点からは、政党機関紙を個人的に講読することについて一般的に政治的目的を有する行為であるとは言いがたく、制限されるものではないと解釈をしております。

○議長(山内寛)

佐藤議員。

◆1番(佐藤良憲)

(登壇)こちらの援助という項目があります。援助とは何を意味するのでしょうか。

また、さっきの答弁では配付は勤務中に勤務場所とのことでした。それも踏まえまして、次に伊丹市職員服務規則、こちらの第2条ではその(4)職員は勤務時間中みだりに離席しないこととあります。この離席とは、勤務を離脱することと解釈いたしております。ここで個人、私ごとを成立させるためには休暇をとるか、あるいはこの職員服務規則の第5条、職員は勤務時間中、私ごとのため一時勤務の場所を離れるときは職場離脱届簿に記入し、上司の承認を受けなければならないとございます。つまり勤務中に個人として私ごとが成り立つためには、同時にこの簿冊が必要なると私は思っております。しかし御答弁の中になかったのは、当然備えつけてあるというふうに解釈いたします。今回これを求めてもよいとは思いますが、時間の関係上、次の質問に移ります。

では、次にさっきの伊丹市一般職員服務分限条例の第24条に戻りまして、このうちの(9)何らの名義または形式をもってするを問わず、前各号の禁止または制限を逃れる行為をすること、こちらについてはいかがでしょうか。

○議長(山内寛)

二宮総務部長。

◎総務部長(二宮叔枝)

(登壇)御質問の規定につきましては、条例各号の脱法行為を禁止する規定でございます。

○議長(山内寛)

佐藤議員。

◆1番(佐藤良憲)

(登壇)私も同様に理解しております。

今回、いろいろ質問させていただきました。しかし、一回質問して全てがわかるというふうには私も考えておりません。今回は当局におかれましてもさまざまなことを私と危機感というものを共有していただいたと、このように感じております。

では、最後にちょっと申し上げておきます。

政治活動を実質的に支援することになる政党機関紙の講読のうち、御答弁にもあります私的なものにつきましては公務員が公共施設内で公務中にすることではありません。やはり勤務時間外に公共施設の外、すなわち御自宅等にとっていただくべきものと私は考えております。

庁舎内、勤務時間中の配付につきましては、1回目の御答弁にもございましたが利便性ということをおっしゃいました。これは残念ながら理解には至りません。これは私的な契約と答弁されているように、相手方の契約内容を履行するために当局が便宜を図っている、このように見えてしまいます。つまり全く無関係の第三者はこの行為を理解しません。

さらには、この利便性が地公法や条例への抵触を疑われております。ですが、これらにつきましても真摯に御答弁いただいた当局に敬意を表しまして再質問はいたしません。今回は、何かしらの対応が速やかにあるものと理解しておきます。

次に、庁舎内に存在する一定部数につきまして、全てが政治活動ではないという御答弁です。こちらにつきましても、一部は資料ということにつきましては私も理解できます。これは資料であるならば、ただほかの政党の機関紙なんかも同程度の部数が存在しなくては、通常の解釈として議会対応等の資料にはならないと私は思っております。私自身が市役所を見て回り聞き取りをしても、この「しんぶん赤旗」以外については発見できませんでした。

ちなみに、日本共産党はホームページを確認すると国民の納めた税金が支持しない政党にも強制的に回される制度が思想、信条の自由を侵すとして政党助成金を受け取らず、それと同時に政治資金の特徴を発表されており、それは党員、支持者、国民からの浄財とされております。その中で、2004年の収入内訳は約300億円です。そのうち約251億円程度が機関紙等の収入とされております。

これまでの一連の質問の中で、当局は全く問題がないという答弁がなかったかのように思っております。教育公務員特例法、地方公務員法または伊丹市条例、規則等に抵触の可能性があることが今回このように初めて判明したわけですが、この状況は速やかに調査、改善を行っていくものだろうと私は認識しております。

今回の御答弁から、市庁舎内での政党機関紙等の講読については、管理職として直接、間接を問わず強制はしていない。また、たとえ上司が講読していても部下は講読の必要がなく、心理的な圧迫感を感じてとっていたならば思想、信条の自由を侵すことにもなり、万が一このようなことがあればすぐにでも解約できるということがあわせて証明できました。これは当局には各種の法令等の抵触の可能性を質問しているわけでありまして、私は今回のこの質問は正論であると思っております。

ちなみに、近隣市も含めて他市において今後同様の質問がなされるそうです。その際に、伊丹市は現状のまま全く問題がないことを証明するか、あるいはいち早く対応を行うということが全国の注目を集めることになるのではないでしょうか。いずれにいたしましても当局の対応を注視するとともに、その状況いかんによっては私は再度御質問をしたいと思っております。

以上をもちまして私の質問を終わります。ありがとうございました。

(「議長、議事進行に関する発言」の声起こる)

○議長(山内寛)

上原議員。

◆28番(上原秀樹)

ただいまの佐藤議員の発言に対して協議したいことがありますので、暫時休憩を求めます。

○議長(山内寛)

上原議員から休憩の求めがございましたので、ここでしばらく休憩します。

〇午後 1時44分 休  憩

〇午後 3時10分 再  開

○議長(山内寛)

休憩を解いて会議を続けます。

一般質問は終了いたします。