2013年9月4日水曜日

2013年09月04日 神奈川県鎌倉市議会 上畠寛弘

平成25年 9月定例会-09月04日-01号

◆8番(上畠寛弘議員)

(略)

それでは、次に移ります。使用者責任として、やはりパワーハラスメントの防止が大切になっております。パワーハラスメントは昨今大変問題になっていて、パワハラはしっかり取り組んでいかないといけない問題です。パワハラの定義とはそもそも何でしょうか。

◎廣瀬信 総務部長

パワーハラスメントの定義というのはなかなか決まりませんで、厚生労働省が出した見解があります。職場のパワーハラスメントの定義ということで、同じ職場で働く者に対して、職務上位の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為、こうされておりまして、そのように理解しております。

◆8番(上畠寛弘議員)

それは恐らく狭義の意味だと思います。裁判や労働審判、あっせん等の労働紛争においては、私も取り扱っておりましたが、パワーハラスメントというのは、同じ職場だけではなく、取引先や顧客、さまざまなステークホルダーが含まれます。よって、上司とか同僚とか先輩とか、そういう中の関係だけではなく、取引先顧客や、その職務上、かかわりのある人からも、含まれてパワーハラスメント、圧力を受ければパワハラだと。実際に、市議会議員も、同じ職場というのは、違いますけれども、やはり市の職員の方々とは、その立場上、いわゆる市議会議員さえもパワーハラスメントの加害者となり得ることがあるかもしれません。ですから、パワハラというのは狭義ではなく、広い意味で捉えていただきたいと思います。

ここで伺いたいと思うんですけれども、例えば、自民党の市議会議員である私が、自由民主という新聞を買ってくれと職員にやったら、この行為は適切だとお考えですか。市長、いかがでしょう。私が、職員の方に自由民主買ってくださいよと言うんですよ。適切だと思いますか。

◎松尾崇 市長

それは、場所ですとか、勤務時間中なのかとか、そういうことがかかわってきますので、一概にいいとか悪いとかということではないと思います。

◆8番(上畠寛弘議員)

でも、職員の方が市議会議員の方にこれ買ってくれよと、自分のところの新聞買ってくれよと言われたら断りづらいと思うんですけれども、それは感覚として、市議会議員もされて、市長もされて、職員の方々と触れ合って、そういうふうに場所とか時間とか関係なく、市議会議員に自分のところの機関紙買ってくれと言われることは、すごい圧力を感じてしまうと思います。パワハラの一つになると思いますが、どうですか。場所とか時間関係なく。市議会議員がそういうことを言うこと自体、適当だと思いますか。

◎松尾崇 市長

それも相手方とどれくらいのおつき合いがあるのか、信頼関係があるのか、全く初対面なのかということによって、その相手の受け方が違うと思いますので、一概にいい悪いとは言えないと思います。

◆8番(上畠寛弘議員)

一概にということは、受け方ということで、パワハラと感じる人もいるということですよね。その可能性があるというのは御認識のとおりですね。

実際、そういうことがあるのかなと、鎌倉市役所内に調べてみました。いろいろな職員の方から話を聞きますと、一定の職位以上の職員の方に対して、市議会議員が新聞を買ってくれと、赤旗新聞を買ってくれと勧誘に来ているという事実があるそうです。その方々は断れないし、委員会も議会もあるし、とっていると。そういうふうにおっしゃっています。結構な数がいました。

赤旗の勧誘行為自体は市役所内で行われています。市議会議員が市役所内で赤旗の講読の勧誘を行っていること、この勧誘行為は許可されていますか。

◎廣瀬信 総務部長

庁舎内の行為につきましては、平成20年ごろから申請に基づく許可を出すようにしております。赤旗、政党機関紙の勧誘については、申請行為には入っておりませんので、許可はしておりません。

◆8番(上畠寛弘議員)

勧誘は許可していないと。当然でしょう。配布は許可されている。でも、勧誘は許可されていない。自分で読みたいならわかります。係長とか、部長とか、そういう職位であれば、さまざまな政党がどういう考えを持っているかというのをとる意味でもそういうのを読まないといけないというのはわかります。しかし、市議会議員という立場の人間が、この新聞を買ってくれませんかねと下手に出てお願いしたとしても、やはり来たら断れない。断ったら担当する所轄の案件どうなるんだろうと、そういうような思いもあって怖いそうです。これ以上は、やはり総務部長にお答えいただくのは、職員の方ですから酷です。別に読みたくないけれども、議会でいろいろ顔も合わせるし、うちの所轄の案件もあるし、そういう思いで買っている。これはれっきとしたパワーハラスメントだと思います。これに悩んで、圧力に屈している職員がいる。こんなのを民間で放置していたら、すぐに使用者責任が問われてしまう問題です。実際に、市議会議員が赤旗を勧誘している、これは市長は把握しておりますか、御存じですか。市庁舎内において、市議会議員が赤旗を読んでくれと勧誘していること御存じですか。

◎松尾崇 市長

庁舎内で勧誘をしているということについては把握しておりません。

◆8番(上畠寛弘議員)

実際あります。責任ある人たちも、役職のある方々、あると言っているんです。庁舎内で勧誘されているんです。で、読まされている。それは御存じじゃないんですか。本当に御存じじゃないんですか。市議会議員から、鎌倉市役所にいて、赤旗を勧誘して買わされている、勧誘されているということ、本当に御存じじゃないですか。知らないということですね。本当に知らないですか。じゃあ、勧誘されていることも知らないですか。市庁舎内外問わず、それも知らないですか。

◎松尾崇 市長

職員が勧誘されているということについてはもちろん知っています。

◆8番(上畠寛弘議員)

知っているけれども、市長は何も手を打たないんですか。それは、全ての職員が信頼関係によって買っているとお考えだということですか。その中には、さっきおっしゃったように、買いたくないけれども買っている人があるという可能性は、さっきお認めになられましたよね。じゃあ、それを認識しているけれども、その勧誘行為について禁止の手だても打たない、何もしてこなかったということですか。認識していたんですよね。

◎松尾崇 市長

政党機関紙を読む読まないということについては、その方の判断ですから、勧誘を受けて、その職員が判断をすることであると考えています。

◆8番(上畠寛弘議員)

そこらの町のおばちゃん、おじちゃんが買ってくれと言っているんじゃないですよ、市議会議員という立場の人が、これ読んでくれよと、それが自由だとか本人の意思だとか、それでいいんですか。市長はそれは適当だと思っていますか。市議会議員が言っているんですよ、読んでくれと。それをそのままでいいんですか。それでいいとお考えですか。もう自由意思に任せるということでいいんですね。勧誘は、もうこのまま放置して、職員の方々の自由意思に任せる。市議会議員から勧誘されるのは嫌だと思っている人もいて、それでも買っている。でも、それでも自由意思だと市長はおっしゃるんですね、お答えください。

◎松尾崇 市長

職員が断れないという前提、先ほど、受け取る側の受けとめ方によるということをお話しさせていただきましたけれども、議員が政党機関紙を購入してほしいと勧誘されたとしても、それは一職員として断るということは、必要ないと考えているんであれば、断ってほしいと思いますし、もしそれが断れないという特段の理由があるというのであれば、それはきちんと相談していただきたいと思いますし、私にも、もし誰にも相談しにくいということであれば、相談するように、きちんと周知してまいりたいと思います。

◆8番(上畠寛弘議員)

実際に、その勧誘行為は、部長職が部下である課長や係長、係長になったら勧誘に来るそうなので、その勧誘があるという事実はもう御存じだそうです。でも、見て見ぬふりをしているんですよ。じゃあ、そこで市長は知っていて、市長も今まで何ら対策をとっていない、自由意思だと、断れないなら、自分のところに相談に来てほしいと言っても、相談できますか。だから、そこはそもそも、その勧誘自体をとめさせるべきなんですよ。過去に石渡市長は、もう赤旗を読むのは一切やめようと、そういうことをされたという御英断があったと伺っております。

市長もリーダーシップをとられて、御自身の部下でそういうパワハラを受けている人が一部にはいる、中には赤旗にシンパシーを持っている人もいるでしょうけれども、そういう部下がいるんならば、自分から行かないと、来るのを待っていますでは、それじゃあだめですよ。

実際に、もうこのパワハラというのは社会問題になっていて、共産党の機関紙であるこの新聞赤旗の2008年7月28日の記事に、ハラスメントは相手が望んでいないことをする行為です。人格を否定することは人権侵害に当たり、セクシュアルハラスメント以外のハラスメントの規定がないからって、何の対策も講じないことは許されないと赤旗自身が書いていて、その赤旗をパワハラで買わせているんですよ。そういうことが行われている、御自身が市長になっているとやはり市長の姿勢が問われています。パワハラに対する姿勢、その姿勢をきちんとすべきだと思いますが、いかがですか。示すべきと思いますが。

◎松尾崇 市長

先ほど黙認と言われましたけれども、私がその現場を見て黙認をするつもりは全くありませんし、そういうことが私の見る範囲の中で起こっているということは、今まで認識をしたことはありません。ただ、御指摘のように、人それぞれの受け取り方というのがあるというのはあります。そのことについて、きちんと必要ないと感じているのを断れるということが、きちんとできる、そうしたことを、私に連絡くださいということだけではなくて、そこについては、もう少し工夫を考えてまいりたいと思います。

◆8番(上畠寛弘議員)

今、もう市長の任期が終えようとしている中で、今まで認識されていて、ほったらかしでいた、誤解しないでいただきたいのは、特定の思想や政党を弾圧したいわけではないです。読みたいなら自分で申し込んだらいいし、そういういろんな考え方があってもいいです。ただ、職場において責任ある市議会議員という立場が職員の方に対して行うということは、明らかにパワハラなんですね。そういうことを、やはり今まであったことは御存じであった、でも、今もう任期が終わろうとしているにもかかわらず、今まで何もしていなかったと。それは、やはり使用者としての労働者の心身の健康を守って、働きやすい環境を整えるというその義務を放棄していると考えます。何の対策も講じないということは許されないし、今までそれで悩んできた方は、市長のもと、4年間いっぱいいらっしゃった、そこをきちんとわかっていただきたいと思います。

自分の部下も守れずに、責任を押しつける、そんなようでは、市長をやっていていいのかと思います。やはり自分の部下は守ってやると、そういう姿勢をぜひお願いしたいと思います。このパワーハラスメント、やはり今回の一般質問で取り上げさせていただきましたけれども、このパワハラの問題、赤旗というのは本当にわかりやすい例で例えさせていただいたので、特定の方には申しわけないと思っていますけれども、ぜひこの点について、これだけじゃないんです。いろんな圧力があります。市長の後援者だから言うことを聞かないといけないとか、ちょっと配慮しないといけないとか、そういうことだってあると伺っております。そこをきちんとしていかないと、何が透明性のある市役所なのかということになりますよ。本当に、市長、何をされてきたのかと、本当に市長のリーダーシップは発揮されていたのか、4年間とは何だったのかと疑問を抱きます。

(略)